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小規模サイトのCMS選び、WordPress以外という選択肢

WordPressの保守コストとノーコードCMSの落とし穴を整理し、継続コストとブランドへの影響という2つの視点から小規模サイトに合うCMSを判断できるようになります。

更新が止まったWordPressサイトは、めずらしくない。原因は技術力不足ではなく、CMS選びを「操作のしやすさ」だけで決めたことにある。小規模サイトのCMS選定には、見落とされがちな軸がふたつある。継続コストと、ブランドへの影響だ。この2軸で見れば、選ぶべきCMSの姿は変わってくる。

小規模サイトのCMS選びで見落とされがちな「継続コスト」

CMSを選ぶとき、多くの人は「操作がかんたんか」を最優先にする。たしかに大事な視点だ。だが、それだけで判断すると見落とすものがある。ひとつは、公開後にかかりつづける保守の手間。もうひとつは、サイトの見た目とブランドの釣り合いだ。操作性の高さと、このふたつは同じ方向を向くとは限らない。むしろ逆転することも多い。操作はかんたんなのに、あとから手間が増えるCMSもある。逆に、はじめの設定は手がかかっても、公開後はほぼ何もしなくていいCMSもある。両方を、具体的に見ていこう。

WordPress:更新と保守が積み上がる仕組み

WordPressは自由度が高く、長く使われてきたCMSだ。ただし本体・プラグイン・テーマは、それぞれ個別に更新がいる。ひとつでも更新を止めれば、そこがセキュリティの穴になりうる。障害が起きたとき、どのプラグインが原因か、切り分けにも時間がかかる。これらは制作会社にとって、つづく作業だ。サブスク型の運用では、この保守作業が利益を削る要因になりやすい。クライアント側にも負担がある。管理画面のメニューが多く、どこを触れば何が変わるのか迷いやすい。「更新してほしい」という連絡が毎回来る状態は、制作会社にとっても手離れの悪さにつながる。

STUDIO・Wixが向く業種、向かない業種

ノーコード型のビルダーは、操作のしやすさで頭ひとつ抜けている。ドラッグ操作だけで完結し、専門知識もいらない。ただし、テンプレートが土台である以上、どこかで見た雰囲気になりやすい。これはアーティストや専門職など、独自性そのものが価値になる業種には命取りになる。加えて、クライアントが「これなら自分でもできる」と気づく瞬間がある。そうなると、制作会社が運用を担う理由はうすれる。乗り換えのしにくさや、動画埋め込みなど込み入った表現への対応力にも限界がある。一方で、運用のしやすさを優先したい業種もある。たとえば物販中心のサイトでは、ノーコード型やECプラットフォームとの組み合わせが向いている。クライアント自身が「これで十分」と判断しているなら、それを止める理由はない。その場合、制作会社がずっと関わる価値は、そもそもうすいからだ。

ヘッドレスCMS(microCMS)という第三の選択肢

WordPressの保守負担と、ノーコード型がかかえるブランドを傷つけるリスク。両方を避ける選択肢が、ヘッドレスCMSだ。microCMSのようなサービスとNext.jsを組み合わせる方法がある。CMS側の更新作業はSaaS側にまかせられるため、本体更新やプラグイン管理という作業そのものがおきない。表示部分はコードとして管理される。制作時に組んだデザインの範囲を超えて崩れることは、構造的に起きにくい。クライアントの編集画面はシンプルだ。記事一覧と画像の登録だけで、執筆までの導線は短い。装飾は制作時に決めた範囲にかぎられる。更新のたびにレイアウトが崩れる、といった事故も起きにくい。表示側はNext.jsのコードなので、動画埋め込みやインタラクションを足したくなっても、対応の余地が残る。ノーコード型で頭打ちになりやすい部分を、構成の時点であらかじめ避けられる。

月額の実質コストと更新の流れ

microCMSとホスティングを組み合わせた場合、月々の追加費用はドメイン代程度におさまることが多い。ホスティングの選び方には注意点がある。たとえばVercelの無料プランは、個人・非商用利用に限られる規約になっている。事業用サイトの運用には向かない。気づかずに選ぶと、あとから有料プランへの切り替えが必要になる。一方、Cloudflare Pagesの無料プランは商用利用が認められている。同じ「無料プラン」でも、規約の中身はサービスごとに違う。契約前に確認しておきたい落とし穴のひとつだ。更新の流れはシンプルだ。クライアントが管理画面で記事を書き、公開ボタンを押す。その通知がホスティング側に届き、自動でビルドが走る。数分後には本番サイトに反映される仕組みだ。もちろん例外もある。クライアントがすでにWordPressの運用に慣れているケースもある。強い希望があるなら、無理に変える必要はない。物販が中心で、ブログはおまけという業態もある。その場合はECプラットフォームとCMSを連携させる形が合うこともある。CMS選びに、唯一の正解はない。業種と、誰が何を更新するかで、最適な組み合わせは変わってくる。

小規模サイトのCMSは、見た目の操作性だけで選ぶと、あとで困ることがある。継続コストと、ブランドへの影響。両方から見極めたい。いま使っているCMSは、公開後の手間まで考えて選んだものだろうか。制作の相談はサービス内容から、費用感は料金ページで確認できる。